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notes/雑記

限られた条件でクリエイティブする「舞台」の凄さ1 @劇団プレステージ

 
 
 

友人の友人が脚本・演出を手掛けたということで、舞台を観に行った。

大人7人が横一列に並ぶと、もう余裕がないくらいの小さな劇場。ガラッと空間が変わるような設備も、人がいきなり消えたり宙に浮いたりする仕掛けもない。テレビドラマや映画のような編集もできない。

なのに、惹き込まれた。

限られた条件で表現する、工夫が凄い。

 

まずは道具の使い方に感心した。

役者が入れ替わり立ち替わりして、そのシーンを表現する舞台。そのシーンにあってはならない道具を役者がはける際に、目立たないように舞台裏に持ち帰っている。

例えばライブ会場でのシーン。酒を飲むテーブルがある。3人の役者がそこで演技する。場面転換。1人が舞台に残り、2人がはける。その時、必ずテーブルは引っ込めている。すぐに次のシーンがスタートする。

 

ドラマの撮影であれば、3人の演技が終わった時点でカットだ。道具はゆっくりとスタッフが片付ける。でも舞台はリアルタイム。悠長に暗転して空間を作り直していたら、観客の心は離れていってしまう。

限られた空間で演じる舞台役者は、演技をするだけでなく演出のサポートもしている。本域の演技からの演出サポート。彼らは相当練習をしている。

 

道具を出す時はどうか。本作では、主人公が自身の所属する芸能事務所に訪れるシーンが何度かある。

椅子に座ってマネージャーと話すシーン。とはいえ、椅子が舞台にあり続けるわけではない。必ずマネージャーが椅子を持ってきてスタートする。

ここのつなぎが、また巧い。

マネージャーが椅子を出すシーンから演技なのだ。マネージャー以外スタッフもいない、小さな芸能事務所なのだろう。「おお、よく来たな。ちょっと待ってて、今椅子を出すから」というような体裁で、自然に物語を進めていく。

 

誰が何をどのタイミングでどうやって持って行き、誰が何をどのタイミングでどうやって持って帰るかまで計算されている。

 

この工夫があるから、観客はストレスなく物語に入っていける。

 

劇団プレステージ

http://amuse-gekipre.com

「あいつのチョキ」脚本・演出:今井隆文

 
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