ページ先頭に戻る
Now Loading...

Now Loading...

blog

notes/雑記

限られた条件でクリエイティブする「舞台」の凄さ2 @劇団プレステージ

 
 
 

ステージは一つしかない。本作はライブ会場、家、河原、学校、事務所など様々な場所のシーンが盛り込まれている。それを一つの小さなステージで全て表現する。

 

場面転換が雑だと、観客は今どこで何をしてるのかわからなくなる。ここにも凄い工夫がある。

先の芸能事務所のシーン。このシーンに転換する時は必ず、主人公が電車に乗るような演出がある。電車に乗る表現は、電車が走る音とライトの点滅だけだ。

役者は一切登場しない。でもこの「お約束」があるだけですんなり「ああ、また事務所に来たな」と感じることができる。

音と光だけで、観客を別の空間に飛ばす。これは凄い。

 

時間軸の場面転換はどうか。過去に行くシーンも幾つかあった。普通、ドラマなどであれば、子役を起用したり演者の髪型を変えるなりする。何なら「10年前」などと字幕を入れれば事足りる。

でも、舞台はそうはいかない。今まさに舞台に上がっている大人の役者が、はけることなくそのまま小学生を演じなければいけないこともある。

本作では、衣装を巧みに活用していた。学生時代を演じる時は、学ランの上着を羽織って演技する。

過去のシーンを演じるのは2人だった。彼らの学生時代が際立つように、大人時代の衣装は印象に残る赤と青。

「赤・青=現在」、「学ラン=過去」というプロットができあがっている。

 

当然、ズボンまで履き替える余裕はない。ドラマなら「上は学ラン、下はチノパン」など絶対やらない表現だ。でも、リアルタイムの舞台ならこれが受け入れられる。

 

なぜか。そういう舞台ならではの世界観に、観客を緩やかにいざなっているからだと思う。

 

劇団プレステージ

http://amuse-gekipre.com

「あいつのチョキ」脚本・演出:今井隆文

 
home